金色のライオン

音楽ガッタスのPVを見る。またこんな素敵なものが見られるとは思いもしなかった。あの草色の衣装で歌い踊る、もっと自然体のPVを想像していた。
吉澤さんには白黒が映える。金髪がきらきらして筋肉のついた白い足が上がって、顔はこんなにも美しくて、野生の動物みたい。何にも縛られないかのように自由に大きく動く。
物語性や横のつながりはあまり感じられなくて、みんながそれぞれに全力を尽くしている。コンコンと里田さんは見慣れた安全な笑顔だけど、石川さんのつちかわれた顔の表現はすごいし(1番の「理由なし」のところと、最後のサビの後の顔、「一時停止」したいくらいに引きつけられる)、エッグも現時点で持てる力のすべてを出しきって、こちらに迫ってくる。モーニング娘。たちの表情は半ばルーティンワークみたいなところがあるけれど、エッグはせめぎあって必死だ。古参の方々も、たとえば「いしよし」には見えなくて、美勇伝の石川さんとソロの吉澤さんの対決みたい。
pさんが書いていたように、「あ〜」の吉澤さんの背中に胸をうたれる。歌う石川さんの後ろで、歌う里田さんの後ろで、吉澤さんが踊る。金髪が揺れる。振り向いて、と願った瞬間、すべてを引き裂いて前に出てくる。本当は振り向かなくてもよかったのかもしれない。その方が吉澤さんぽい。でも、振り向いて、誰よりも前に出てきた。吉澤さんは変わった、変えられたんだなと思った。モーニング娘。のリーダーは後ろで支える役で、「悲しみトワイライト」の最後にようやく前に出てきて、そのまま前にいる。ガッタスのキャプテンは前から引っぱってる。
「悲しみ」のメイキングで「惚れんなよ。惚れろよ」と言った背中を思いだす。惚れたからこそ、こうしてまた追いかけている。