方丈記

慣れない午後の会議中、目を閉じて『Hello! ヨッスィー』の表紙を思いえがいていた。左右ふぞろいな眉と、笑ってない目と、白い肌と、ほくろ。彼女の顔が浮かんでは消え消えては浮かび、かつ消えかつ結びて……
帰りの東西線で「あの本屋にならあるかも」「いやまだ出てない」「あの本屋で買いたい」「あっちでも買ったらどうか」とまったく無意味なことを延々考えつづける。そうか、私を生殺し状態にしないために、発売の告知は遅れたのだ。
とにかく会いたいんだー、と思い、でもおととい会ったじゃん? と気づいてがくぜんとする。ほんとは本でもテレビでもCDでもDVDでもなく! きみに!!