(全世界の吉ヲタの皆様ごめんなさい)

吉澤ひとみに似てますね」
雨の美容院で言われた。
「私ってモーニング娘。では誰に似てますか?」ときいたわけじゃない、芸能人の話もしていない、ただ「ふだんメイクはあまりされないんですか?」と前回と同じことをきかれていた。
「えっ」
言葉につまる。なんで、私が吉澤ひとみに並々ならぬ関心をもっていることも知らないのに、その名前が出てくるの? 私の顔だけを手がかりにして、その名前が出てくるの? よりによって、吉澤ひとみ
「ファンなんです、ディナーショーも行ったんですよ」
などと言うわけにもいかず、
「私、あの人の顔、すごく好きなんです」
「へ〜じゃあいいじゃないですか〜」
何がいいんだか、好きなのは顔だけじゃないし、だいたいこの人の思う吉澤ひとみってどんな顔なんだろ、
「目が大きくて『ひとみ』って名前がついたらしいですよ」
「へ〜そうなんですか〜」
と、これ以上もうどうやっても話は続けられなかった。
こんなのは「あの子ってもうモーニング娘。じゃないんですよね〜」とか言っている人たちにのみ許される会話だ。吉澤ひとみがどれだけ美しく人間離れしているか、唯一無二の存在か、常に驚き崇めている吉ヲタの方々からすれば、冒涜だろう。そして私だってその一人なのだ。「吉澤ひとみをばかにするな」と言ってやりたい。
しかし、あれだけ毎日見ていたら似るかもな、とは思う。何年も
よっすぃ〜かわいい同じ人間なんて信じられない、あ〜吉澤ひとみになりたい」
ともだえ続けていたら、爪の垢くらいは吸収したかもしれない。
「好き」が顔ににじみ出たんだと、愛に免じて許してください。こんなに記念すべき出来事もめったにないので、誰も私の顔を知らないのをいいことに、書いてしまいました。エヘ。