MELON GREETING@渋谷O-EAST(後半)

メロンの人たちがはけて、音楽ガッタスの時間がはじまる。
「このライブハウスに来るのは初めてなんですけど、初めてな気がしません。昨日、おとといは里田さんと石川さんと大阪でミックスディナーショーをして……あ、来てくださったかた、ありがとうございます。毎日会えてうれしいですね」
と吉澤さん。
まずは『Dreaming』。いっしょに腕を上げて虚空をつかんだりしていたら、日本青年館の感動を思いだした。吉澤さんの美しいひとさし指。
「では、9月10日に発売される『Come Together』を本邦初公開します。初なのにひとり足りませんが」
まったく期待していなかったので、いい曲にきこえた。歌っているのはほぼお姉さんたちのみ。ワンフレーズだけハモっていて、驚くとともにとてもうれしかった。小さな冒険をさせてもらっている。横を向いて足踏みしつつ、首をくいっくいっとこちらにひねる振りがかわいかった。センターいしよし
そして彼女たちはあっさりと去り、メロンさんたちがあついライブを披露して、天国ときどき地獄(逆かも)の時間は幕を閉じた。
ひとつ気になったのは、のっちのMC。
「今日の私は完璧です!」
というひとことにざわめきが起きた。ぽかんとするのっちに石川さんが
「のっち、それコンコンのネタだから」
と注意して、紺野さんも
「あー、不意打ちだった」
と胸を押さえる。のっちは
「知りませんでした!」
と目を丸くして、そのまま続きを話しはじめる。
たぶん客席のほとんどの人は「完璧です!」を知っていた、と思う。もうそんなことは言わなくてよくなって、新曲もしっかり歌ってみせる紺野さんを、まぶしく見つめていたはず。
でも音楽ガッタスの妹さんたちには、共有されてないんだな。モーニング娘。の古いDVDをくまなく見たりしないよね。そうしたらこの前のいしよしまのの「ごあいさつMC」なんてまったく意味不明じゃない? 何の説明もなかった。そう、お客は知っていて当たり前と思われている。そこできょとんとするエッグたちのほうが、異物になっちゃうんだ。もちろん先輩の歴史は学んで欲しい、でも、このサロンは排他的すぎるのかも。
ねえよっすぃ〜、私たち長くつきあいすぎた? お互いを深く知りすぎたかしら? こんどテレビで見かけたら、まっさらな目で見つめてみたい。