SEXY 8 ビート@さいたまスーパーアリーナ(夜)

四階でますます遠ざかる。もう見分けるのが大変なくらい。でも届いた。
光井の質問「かっこいい曲のあとのサンキュー」には「ミスムンの終わりのところやるね」と答え、
「The future is mine! センキュー」
「初めて本当にかっこいいと思った!」と亀井。横須賀では思わなかったのかなあこの子は。
「元気で輝く秘訣は?」「秘訣? う〜ん、歯だね! 歯が命。どんなときも笑顔! テストで0点とっても笑顔! 笑っていれば楽しくなっちゃう! 歯が命」
そのことば通りなのか、夜はずっと笑顔だった。暗転して白いサイリウムが灯るなかに出てきたときも、「おっ」という顔をしただけで、颯爽と歩いてきた。「その出会いのために」も昼より元気に歌っていた。歌い終わってステージに戻るときも早足で。
今まであの黄色い短いドレスが好きじゃなかったの。「通学列車」を歌うくらいなら可愛らしいんだけど、「その出会いのために」にはちょっと頼りなさすぎた。痛めつけられるんじゃないか、と不安になった。あの細い足が。安倍さんの卒コンでも足が気になった。満場のなっちコールのなかをあの足で一歩ずつ踏みしめていく姿は見ていてハラハラした。途中で転んだり、泣きながら急に駆けだしたりしそうで。だからよっすぃ〜がさっさと帰っていくのを見てほっとしたし、行け行けどんどん、という気にもなった。
あっというまに卒業式が始まる。
光井(いきなり話しだそうとして、よっすぃ〜に「みっつぃ」と止められ、「卒業おめでとうございます」から言い直し)「入ってすぐのとき連絡先を教えてくれて、何かあったらいつでも連絡してきて、と言ってくれて、リーダーらしいなと頼もしく思いました。これからもたくさん教えてもらいたいので、よろしくお願いします」
小春「吉澤さんにはたくさん怒られたけど、全部小春のためだったし、怒ってもらえなかったら今の小春はなかったと思います」吉「本当にそう思ってんの?」「これからも小春のお母さんでいてください」
亀井「最初のころ吉澤さんとはあまり話すことがなくて、こんなに吉澤さんのことが大好きになる日がくるとは思わなかったし、お別れする日がこんなに早くするとは思いませんでした」「遅いよ!」「吉澤さんはいつも絵里のこと適当適当言うけど、吉澤さんを好きな気持ちは適当じゃありません!」
道重「吉澤さんはリーダーになったころ全然話さなくて、さゆみのことなんて眼中にないんだなーと思っていたけど、本当はしっかり見ていてくれて、さゆみが悩んでいるとき、他のみんなは「大丈夫、チャンスだよ」と言ってくれて、それが逆にすごいプレッシャーになっていたんですけど、吉澤さんだけは黙って手をぎゅってしてくれたのが本当にうれしかったです」「シゲさん…」「そのシゲさんっていうのも、もっとかわいいのにして欲しかったです」「…」「でも大切な宝物です」「シゲさん、これ王子様みたいじゃない?」「王子様〜!」
田中「吉澤さん、顔見ません。泣かないって約束したけん」「れいな〜」「見ません」「ほら、ちゃんと話しとう」「吉澤さんはコントで変な役もやりきるところがかっこいいと思ってました。普段はきれいなお姉さんなのに」「れいな、変顔しようか。あそこに向かって(とカメラに変顔)」
高橋「吉澤さんとは年はひとつしか違わないのに、本当にしっかりしていて、助けられてばかりでした。足をひねってくやしい思いをしているときも、「絶対に大丈夫。ファンのみんなはわかってくれてるから」って言ってくれて、すっごくうれしかったです。で……」「大丈夫? こんなのがサブリーダーで」「ちゃんとまとめます! 吉澤さんはみんなに好かれていて、その理由がすごくよくわかるんです…(そのあともぐだぐだしていたかな)胸は開いてます!(とか二回くらい言ってよっすぃ〜を抱きつかせる)」
新垣「吉澤さんは、私にとって最後のモーニング娘。でした」高橋「それって頼りないってこと!?」吉澤「そういう話は楽屋でして!」「五期だからしっかりしなきゃって思っても、結局頼ってばかりで、何回ありがとうございますって言っても足りないくらいです」
藤本「よっちゃんは、最初に会ったとき、携帯を壁にがりがりこすりつけて「この携帯もっと薄くならないかな〜」って、変わった人だなと思っていて…でもたくさん話さなくてもわかってくれるし、ガッタスでも一緒で…ふたりで泣いたこともあったよね」「あったね」「これからもがんばります」「この重い船を、舵をきって…」「十人もいるからね」「困ったときはいつでもお父さんに連絡して。ほら、お母さま、おいで!(手を広げる)」「ひとピンク〜!」
そして「自分の卒業のときは、絶対にこの曲を歌いたいって思ってました」と言うので、ミスムン? と思ったけどI WISH。
あの羽根を見た瞬間ミスムンだって思ったのに。自分ひとりのひのき舞台より、みんなのうた、みんなの思い出を選んだってことなのかな。夜のMCで口にしたのはちょっとしたうめあわせ? 歌わなくても、卒業式で女の子たちと抱き合っているとき、あの世界が見えた。それで充分だったのかもしれない。
みんながはけてまたひとりになると、もっと自由な感じで話しはじめる。
「白、きれいですね。白っていい色だよね。ここにみんながいる限り、私は何色にも染まるから」
「今、すごく幸せです。七年間、自分と闘いつづけてきたから、この幸せがあるんだと思います」
モーニング娘。は家族みたいなものです。だからそこから離れるのは本当はすごく淋しいけど、出会いがあるから別れがあるし、終わらないと始まらない。明日から私、吉澤ひとみはまた出発します。モーニング娘。はいつまでも私の心にあり続けます」
夜は「家族をつくってくれたつんくさん」って言ってた。
「なんか、時間が止まればいいのにってこういうことだよね。今、あぁいい! って感じ! でも、このあとのライブも、一緒に楽しんでくれるかな? じゃあアンコールのために着替えてくるから、このままの熱さを保って、ちょっと待っててね!」
アンコールもいつも通り、最後のあいさつもいつも通り、あっけなく、からっとコンサートは終わる。
ハピサマの最後、だーっと花道をダッシュして今日三回目のどすーん! をやって、またダッシュで帰っていった。