吉澤ひとみ・アヤカカジュアルディナーショー@広尾ラ・クロシェット

音楽ガッタスのPVはここで買おうと思っていたのに、物販がなくなっていた。正確には飯田さんが描いたふたりの絵しか売っていなかった。
体積ばかり多い食事をすませて、じっと待つ。席は5月のひとつ前の席で、左側にカーテンがある。今頃この裏で……ともんもんとし、前に駆けていく足音に胸をときめかすとスタッフが出てきたりする。永遠にループしていきそうなBGMにじらされる。
ようやくバンドの人たちが出てきて、おもむろに全く聞き慣れない音楽を奏ではじめる。これはどこにつながっていくのだ? と思っていると、カーテンの奥から
「いつも ずうっと一緒やったから 気つかへんかった」
と声がした。キャーーー。

大阪 恋の歌

この歌がよっすぃ〜にあってよかった、と思う。あなたの声ではじまる歌があるなんて、幸せだ。
よっすぃ〜は黒いロングドレス。胸の部分が透かしになっている。アヤカは赤いロングドレス。大きくスリットが入っている。
1番でいきなりよっすぃ〜が歌詞をまちがえた。ふたりとも動揺せず歌いつづける。

シャンパンの恋

ココナッツ娘。かと思ったら、メロン記念日だった。いい曲。ふたりに合っている。

男友達

イントロでまたキャーーー。「バリバリ教室」にさえ間に合わなかった私には涙ものの選曲。笑顔で歌う姿を見たい、と思ったらこちらに歩いてきた。歌を聞くどころではなく、通りすぎて後ろから聞こえてくる声に頭をやられる。振り向く勇気もなく固まってしまう。細かく手を振りながらまた通りすぎて右の列へ。近すぎて遠近感がわからない。
最後はふたりで顔を見合わせて歌って、楽しそう。

MC

吉:今日は初めてアヤカとふたりでやらせていただくんですけれども……今まで里田さんと一緒のお仕事は多かったんですが、なぜかアヤカとは縁がなくて
ア:縁がない!?
吉:うん、縁が
ア:親友でしょ!?
吉:あ、お仕事でね
ア:ああ、仕事の! びっくりした。そう、よっすぃ〜とまいちんが一緒にお仕事って聞くとふたりにメールするんですよ
吉:「アヤカも行きたい」って。でも来なくていいと
ア:いつもジェラシーを感じていて。だから今日はうれしいです
吉:ただ、アヤカが一緒だと私、落ち着いちゃうんですよ。アヤカがぼけぼけだから
ア:いいじゃない落ち着けば〜
吉:で、せっかくアヤカとやるので、今日は昼ですけど夜の雰囲気で、昼のナイト・ショーというか、大人の雰囲気でやりたいと思います。大人の雰囲気……さっき英語習ったんだよね。セクシーじゃなくて
ア:ヒントは「ア」
吉:アイディア?
ア:えー! 「ア・ダ・」
吉・ア:「ル・ト」!
吉:そう、アダルトな感じで、アダルティーにいきたいと思います。皆さんもネクタイとかドレスとか、着てきてくださっていますし。アダルティックに。では、ここからひとりずつ歌います。まずは私から……(アヤカ退場)皆さん、サッカー見てますか? 私はなでしこジャパンのサポーターをやらせていただいています。来週はドイツ戦です。話したことのある選手なんかもいるから気持ちがすごく入って、ひとりでキャーキャースタジオで騒いでいるんですけど。だから、来週のインド戦も……インド戦!? 私いま「インド」って言いました? わー。ひとりでノリつっこみしてる。ドイツ戦も、ぜひ見て、応援してあげてください。それでは、竹内まりやさんの「純愛ラプソディ」を歌わせていただきます。私が小さい頃に見ていたドラマの主題歌で、ずっといいなと思っていた曲です

純愛ラプソディ

歌ドキッ!ではずっと男性の歌を歌っているけど、女性の歌はまた違う。どこにでもある恋愛の歌、タイムカードを押したこともなく「どこまでも主役にはなれない私」でもない吉澤さんがこの歌を選ぶのってなんだろうな。お芝居みたいなのかな。いつもより小さく、かわいく見える。それはアヤカもきちんと見ていて、

MC

ア:ずるーい!(と出てくる)
吉:ずるいって!?
ア:かわいかった。かっこいいんでもなく、かわいくて。よっすぃ〜、普段は男らしいけど、本当は女の子な面もあるんですよ
吉:そりゃそうだよ! なきゃやばいよ! ユニフォームも好きだけど、こういう恰好も好きだし、そういうところもちょいちょい出してかないと。ユニフォームの方が好きだけど
ア:では次は私がひとりで歌わせていただきます
吉:みんなやられちゃうかもよ(と言いつつ去る。カーテンの裏から紙をかさかさめくる音が聞こえた)
ア:ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、ここ1年くらいジャズを勉強しています。何も知らなかったので、有名な曲を聴いたりジャケットが気に入って買ったりするうちに、少しずつ好きな曲も増えてきました。今日は初めて人前でジャズを歌います

Night and Day

アヤカの英語の歌だ、くらいの感じで聞きはじめたら、圧倒された。表情とか節回しとか、アヤカにしかできないなあ。腕をふりあげて声をふりしぼって、格好よかった。

MC

吉:すげー!
ア:ありがとう!
吉:Night and Day〜♪(歌いつつ腕を振りまわす)私もやりたくなっちゃった! Day and Night〜♪
ア:やろうよ!
吉:でも、壊しちゃうからやめとく。「Night and Day」は「夜も昼も」?
ア:そうだね
吉:「Day and Night」は?
ア:「昼も夜も」
吉:「Night and Day」、「Day and Night」、「夜も昼も」、「昼も夜も」……はー逆なんだ
ア:「太陽の下でもそうじゃなくても、あなたが遠くにいても近くにいても、ずっとずっとあなたのことを考えています」っていう歌なの。重いよね!
吉:へー。でも軽く聞こえるよね。英語だと重い内容でも軽く聞こえるからいいね。Night and Day〜♪ さて、では次の曲に。また「大人」にいきたいと思います。(マイクスタンドが出てくる)あの、皆さん、踊ってくださいね?
ア:そう、狭いですけど
吉:回れないですけど

好きで×5

これもよかった。なんだかどの曲もハロプロっぽく聞こえない。

メロディーズ

イントロで目が点になる。このふたりで、この雰囲気で歌ったらまずい。歌いだしはよっすぃ〜。「泣いてる〜み〜たいな〜」あああやめてえええ。本家は振りがすごいかわりに歌い方はふつうだけど、今回は踊れないぶん(だから踊れって言ったのかも)歌い方で表現するしかなく、それこそ声の出し方からなりきっていて、やばかった。「絞りたてジュースをあなたに手渡す」アヤカの笑顔とか。さらには「よっすぃ〜ミキティのことも少しは思いだしながら歌っているかしら」「どんなふうに思いだすかしら」と考えてみたり、とにかく悶々とさせられた。もう「女の子」では全然ない。まだ22なのに……。

MC

吉:あの、アヤカはエロいんですよ
ア:エロい!?
吉:こういう曲、私は本当に恥ずかしいんですけど、アヤカはさらっとできちゃって
ア:私はこういうの大好き(と堂々といえるアヤカ、いいなあ)
吉:なんかフェロモンが出てる
ア:出ちゃってますか?
吉:だから、私もそこに乗っかって、上乗せしたい。大人を

香水

夏のハローでもメロン記念日と一緒に歌っていたなあと思いだす。よっすぃ〜のエルダーは早すぎると思っていたけれど、こっちの方がいいじゃん。「大人」はエルダーにしかできない魅力なのね。

すごく好きなのに…ね

なんだかなつかしい。かわいい。娘。の曲でも、いちいち「モーニング娘。だ」って思わなかった。卒業してしばらくたつせいもあるし、ちゃんとふたりの歌として歌いなおされているからでもある。どんな歌だって歌える。

MC

吉:このバラ、リハーサルのときアヤカが「ここにバラがあったらよくなーい?」って持ってきたんですよ。バンドのメンバーの皆さんの胸のバラも。あと照明のこともいろいろ言ってて、総合プロデューサーアヤカみたいな
ア:だって「大人」の雰囲気っていうから
吉:(バンドメンバーの紹介のあと)さて、あっというまに時間が過ぎてしまったのですが、最後の曲です
客:え〜〜〜
ア:待ってました!
吉:今回は、初めてアヤカとふたりで歌わせていただいて、本当に楽しかったです。里田さんと歌ったり、音楽ガッタスがあったり、モーニング娘。でも歌ってきて、いろいろな人と歌うとみんな違うんですよね。まず、声が違うから。今いろんなお仕事をしていますけど、やっぱり歌は欠かせないな、と思いました。あと、また里田さんと一緒のお仕事がありまして、10月から白虎隊のお芝居がはじまります。柴ちゃんや是ちゃんも一緒なんですけど。刀を抜いたりもするので、ぜひ見にきてください
ア:私もお芝居に出ます。なっちが主演で、ゆきどんもいます
吉:どんなお話?
ア:えーと、しみじみ系
吉:しみじみ?
ア:家族っていいなあとか
吉:ファミリー系?
ア:見にきてください
吉:それでは、本当に最後の曲です
吉・ア:人知れず 胸を奏でる 夜の秋

人知れず 胸を奏でる 夜の秋

最後までエルダー。終わるのは名残惜しいけど、「充分に見られた」という満足感もあって、すっきりとした気持ち。二方向におじぎをして、おしまい。

撮影と握手

アンケートをだらだら書くうちに「お見送りの準備ができました」といわれてすぐに並んだ。前回は考えあぐねたあげくに全くろくなことにならなかったから、今回は何も期待せず、さっさと撮られて手を握って帰ろう! と決めていた。
「お待たせしました」と迎えられ、「お願いします」と入っていくと、アヤカが思いがけない言葉をかけてくれて、ぱあっと舞い上がる。右にいるよっすぃ〜を意識しつつ、アヤカに「ありがとうございます」といいつつ撮られる。まずよっすぃ〜に手を握られ、私の無難なコメントに「ありがとうございます」と真剣な顔でうなずいてくれる。なんでいつも笑ってくれないんだろう、でも今までで一番はっきりと言葉を伝えられた。対するアヤカにはさきほどのことで気を許してしまい、「エロくてどきどきしました」などと口走る。係員はちっともせかしてこなかったので、みずから「ありがとうございました」と立ち去ると、アヤカはすごい笑顔で手を振ってくれていた。よっすぃ〜の方は見られず。
「大人」というテーマがふたりの魅力を引きだしていて、本当によかった。これからの可能性を感じた。次は絶対3人でって言ってたけど、またこのふたりのが見たい。それとも里田さんにも「大人」が上乗せされるんだろうか。次は「浪漫」ではじめて欲しいな。(Hey, let's have a dance? My dearってカーテンの裏から聞こえたら!)
アヤカは本当にいい子だなあ。
よっすぃ〜に久しぶりに手紙を書きたい。