ありがとう、演劇ガッタス

一日経って思いだすのは芝居よりカーテンコールのこと。柴田さんが背中をぽんと叩き里田さんが乱れた襟を直してあげる姿は「キャプテンお疲れさま」って声をかけてるみたいだった。試合終了! の合図に並んでお辞儀してるみたいな。
一番苦しかったのは本人たちだよね。考えれば考えるほど見えなくなる物語。勝ち目のない作戦を与えられて、でも最後まで全力で戦わなきゃいけない。そして、見ている観客の苦しさも想像してしまっただろう。
「全部で11公演、見に来てくださったファンの皆さん、本当にありがとうございました」
千秋楽での吉澤さんの挨拶が気になった。「ファン」? 普段のライブではわざわざそんな風に言ってたかなあ? そして芝居の観客に対して「ファン」という言い方は正しいのか? ハロプロだけの芝居でもないのに。
でも、実際ほとんどがハロプロファンだったことはたぶん間違いない。半分くらいはリピーターだったことも。一度見たらうんざりするような脚本なのに、日に日に空席が目立つようになるわけでもなく、笑うべき場面は最後までちゃんと笑いが起こった。(三日めはあまり起こってなかった。みんなまだ困っていたのかも)よっすぃ〜の挨拶、正確には思いだせないけど、「11公演」と「ファン」ってことばがくっついていた。こんな芝居でも繰り返し来てしまう。ヲタの執念、愚かさ、あるいは愛を、よっすぃ〜は感じたんじゃないかしら?
「やっぱりこぼしてる」
って千秋楽の牛乳の場面で言ってた。「やっぱり」。この台詞は牛乳数リットルを見届けたヲタへのサービスでしょ?
唱和したり、ハロー以外の人にも歓声を送ったり。リボンの騎士の千秋楽で箙さんが「皆さんのパワーが宝塚にも欲しい!」って言ってた、そういう「パワー」を今回は存分に発揮したんじゃないだろうか。かんべんしてよ、と思うようなヲタにも何人か遭遇したけど、こういう人たちも含めて支えてるわけだから。
そして、そんな舞台に吉澤さんと立っていたのが柴ちゃんや里田さんでよかった、と思う。暴走するリーダーをどぎまぎしながら見守っているモーニング娘。じゃなくて、ぽんと手を当ててくれるガッタスの仲間で、よかった。あくまで対等な仲間。よっすぃ〜を支えてくれて、ありがとう。