目を閉じれば天使に会える

何度きいても冗談みたい。この歌で、この二人の声が聞こえるって。二人の声しか聞こえないって。歌ドキじゃないの?
唇が思いきり接近してるけど、もうみなさんあんまり騒がないのね。それどころじゃないよね。
写真だけ見ていれば、あー二人ともなんでも似合うなー楽しいだろうなーとウキウキ妄想するだけなのに、歌声はそのまんま生身だから、いきなり現実界に引き戻されるようで、結果としてものすごく冷静に真剣に写真を見つめ歌を聞きつづけている。
すごいなー。こんな日がくるんだなー。
いしよし」を売り物にしないで、そっとしておいて、と今年の初めの横浜で願ったけれど、こんな遊びだったらすんなり受け入れられる。まだ一緒に遊んでくれるんだ、と嬉しくなる。
菅谷さんと鈴木さん、とか高橋さんと田中さん、とかじゃなくて、なんでこの二人なんだろ? 洋服の感じも女子中高生向きじゃない? なんだかいたいけな二人が仮装して背伸びしてるようにも見えて、逆に二人が十五歳くらいに思えたりして。あたしたちとんがってるけど、本当は、傷つきやすいの。
うっかりここの服を買ったりしてしまわないようにしよう。音ガタツアーでは痛々しい恰好の吉ヲタが多発しちゃうかも。せめてストラップくらいにしておきましょう。

よしあや

というとふつうはアヤカなんだけど、私は亜弥さんを推したい。
まのえりさんの応援に借りだされた吉澤さんが、心理テストで「雪を連想するハロプロメンバー」にあややを挙げたらしい。これは「ウザい人」なんだよと言われて、自分の行きたかったアイドルポジションにあややがいるから、と説明したらしい。
前にも「ライバルはいますか?」という質問にあややと安倍さんと答えていた。このまえのソロライブでも彼女の歌を歌っていたし、ずいぶん意識してるのね。
松浦さんのことはよく知らないけど、客席を弄んで遊べるところが吉澤さんに似ている。「アイドルやりきっちゃうから見ててネ」という松浦さんと、「アイドルらしくないことだけするから見てな」という吉澤さんは、全く一緒だ。素は見せずに、ひとつの型を演じきる。
去年の夏の「ハイスクールララバイ」は静かに火花が散るようでとてもよかった。(真ん中には安倍さんがいた。完璧!)お正月のハロコンではふたりが並んで座っているMCもあって、今年はよしあやを期待したのに、何も起こらなかった。「わおーん!」にあややを呼んで、めちゃホリデュエットして欲しい! ふたりでアイドルの方に振り切ったら最強だと思うわ。

しごと

十日前、親しい男の子と仕事について話した。
「お金がもらえるとか人の役に立つとかじゃなくて、もう、どうしようもなくやっちゃうもの。頼まれなくても。麻薬中毒になるようなもの。ケーキ屋で、ここまでつくれば売り物として合格というのがあるでしょう。それ以上に、がんばっちゃうの。そのがんばった部分は誰も気がつかない。誰にもわかってもらえない。でも、なんとなく過剰さが伝わる。」
ふーんと思って聞いていた。しばらく経ってから、あ、吉澤さんのことか、と気がつく。吉澤さんのしていること、ではなく、私が吉澤さんに対してしていること。
《彼女が懸命に歌う姿に目をうるませ、立ち振る舞いに胸を焦がすことこそ、私の仕事なのでは、とさえ思えてくる。》
と、前回の日記に書いた。STBに行くまえはだいぶ気持ちが落ち着いて、「ヲタ」らしさがかなり失われていた。でも彼女が目の前に現れたとき、胸はきっちりと高鳴って、ああ私は彼女に会いに来ている限り間違わない、と思ったのだった。役立たずなろくでなし人間でも、こうして吉澤さんの現場に来ることはできる。それが私の日々の雑務のなかで一番意味のある仕事ではないか。吉澤さんにとっては「女性客が一人いる」というだけのことなのに、さらに目をうるませたり胸を焦がしたりしてしまう。無駄だ。これはもう宿命だ、仕事なのだ。
モーニング娘。を好きになったとき、これから淋しい夜はDVDをみて過ごせるなと思った。最初は、ひまつぶしだった。それがいつしか、時間もお金もじゃんじゃん費やすようになってしまった。そう、アイドルの仕事は、私たちに仕事をさせること。灰色の世界でひととき頭をお花畑にするために、理性をぶんどってくださるのです。私はありがたく、ジャンキーになりたい。
ジャンキー (河出文庫)

吉澤ひとみスペシャルワンマンライブ at STB139(前半)

2030開演の回に行った。
雨だし時間も遅いしなんだかだるいし、いまいち気が乗らなかったのだけど、
「なに言ってる! よっすぃ〜はいつでもがんばってるのに失礼じゃないか!」
と急に気合いが入り、しっかり着替えて出かけた。
六本木のきらびやかなところはまったく通らずにたどり着いて、ほっとする。整理番号順に並び、一人ずつ座席までエスコートされる。先日のメロングリーティングとは大違いの快適さ。音ガタツアーではまた耐えねば。

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瞳はダイアモンド

宝塚、四度目の観劇でようやくハマリどころを見つけた。よかったです、と話しながら階段を下りる。
安蘭けいさん、本当に恰好いいですね」
「とうこさんね。とうこっていうのは本名で、瞳の子って書くんですよ」
「はあ」
「生まれたときから目が大きかったから、ついたらしいですよ」
「……」
星組、スカーレット・ピンパーネル。紅色のプログラムを初めて買った。
もし私に子どもができたら、ひとみと名づけたい。

MELON GREETING@渋谷O-EAST(後半)

メロンの人たちがはけて、音楽ガッタスの時間がはじまる。
「このライブハウスに来るのは初めてなんですけど、初めてな気がしません。昨日、おとといは里田さんと石川さんと大阪でミックスディナーショーをして……あ、来てくださったかた、ありがとうございます。毎日会えてうれしいですね」
と吉澤さん。
まずは『Dreaming』。いっしょに腕を上げて虚空をつかんだりしていたら、日本青年館の感動を思いだした。吉澤さんの美しいひとさし指。
「では、9月10日に発売される『Come Together』を本邦初公開します。初なのにひとり足りませんが」
まったく期待していなかったので、いい曲にきこえた。歌っているのはほぼお姉さんたちのみ。ワンフレーズだけハモっていて、驚くとともにとてもうれしかった。小さな冒険をさせてもらっている。横を向いて足踏みしつつ、首をくいっくいっとこちらにひねる振りがかわいかった。センターいしよし
そして彼女たちはあっさりと去り、メロンさんたちがあついライブを披露して、天国ときどき地獄(逆かも)の時間は幕を閉じた。
ひとつ気になったのは、のっちのMC。
「今日の私は完璧です!」
というひとことにざわめきが起きた。ぽかんとするのっちに石川さんが
「のっち、それコンコンのネタだから」
と注意して、紺野さんも
「あー、不意打ちだった」
と胸を押さえる。のっちは
「知りませんでした!」
と目を丸くして、そのまま続きを話しはじめる。
たぶん客席のほとんどの人は「完璧です!」を知っていた、と思う。もうそんなことは言わなくてよくなって、新曲もしっかり歌ってみせる紺野さんを、まぶしく見つめていたはず。
でも音楽ガッタスの妹さんたちには、共有されてないんだな。モーニング娘。の古いDVDをくまなく見たりしないよね。そうしたらこの前のいしよしまのの「ごあいさつMC」なんてまったく意味不明じゃない? 何の説明もなかった。そう、お客は知っていて当たり前と思われている。そこできょとんとするエッグたちのほうが、異物になっちゃうんだ。もちろん先輩の歴史は学んで欲しい、でも、このサロンは排他的すぎるのかも。
ねえよっすぃ〜、私たち長くつきあいすぎた? お互いを深く知りすぎたかしら? こんどテレビで見かけたら、まっさらな目で見つめてみたい。